画質を落とさずに画像を圧縮する方法
画像をウェブサイトにアップロードしたら「ファイルが大きすぎます」と弾かれた、あるいは商品写真をまとめてメールで送ったら容量オーバーで返送されてきた——そういうときに真っ先にやりがちなのが、画像編集ソフトを開いて品質スライダーを60%まで下げることです。でも、その必要はありません。
なぜ画像が大きくなるのかを理解すれば、見た目を損なわずに小さくできます。原因は三つあり、それぞれ対処法が異なります。
画像ファイルが大きくなる本当の理由
解像度(ピクセル数)。 4000×3000 ピクセルの写真には 1200 万ピクセルが詰まっています。ウェブサイトで 800×600 で表示するなら、実際に必要なデータ量の15倍を送り込んでいることになります。圧縮をかける前にリサイズするだけで、4 MB の画像が 400 KB 以下になることも珍しくありません。
フォーマット。 PNG はすべてのピクセルを正確に保存するので、設計上ファイルが大きくなります。同じ写真を JPG にすると、サイズが PNG の5分の1程度になることがあります。Google が設計した WebP は、写真では JPG より、グラフィックスでは PNG よりも優れた圧縮効率を持っており、同等の画質で JPG より 25〜35% 小さくなるのが普通です。コンテンツの種類に合わないフォーマットを選んでしまうと、品質スライダーをいじるより無駄が生じます。
メタデータ。 スマートフォンで撮った写真には Exif データが埋め込まれています。GPS 座標、カメラの機種、レンズの絞り値、撮影日時、さらにはサムネイルまで含まれていることがあります。一般的な Exif ブロックは 20〜80 KB 程度。削除しても見た目には何も変わりません。
ロスレスとロッシー——「画質を落とさず」の意味を正確に
この二つの言葉はよく誤解されます。きちんと整理しておきましょう。
ロスレス圧縮はデータを一切捨てずにファイルサイズを縮めます。展開すれば元のピクセルが完全に復元されます。PNG は内部的にロスレス圧縮(deflate アルゴリズム)を使っており、圧縮レベルを上げれば画素変化ゼロでファイルを小さくできます。WebP の一部モードも同様です。
ロッシー圧縮は人間の目が気づきにくいデータを捨てます。フラットな部分の微妙なグラデーションや、暗部の細かいディテールなどです。JPG は常にロッシーです。ただし品質設定を高め(0〜100 スケールで 85〜92 程度)にすれば、通常の表示サイズで見分けがつかないほど変化は小さく、それでもファイルサイズは 60% 程度減ることがあります。
つまり「画質を落とさず圧縮する」は実現可能です。ただしファイルの種類によって意味が変わります。PNG のスクリーンショットやロゴなら真のロスレス圧縮が使えます。JPG 写真の場合は、元画像と見分けがつかない品質レベルでのロッシー圧縮が現実的な目標です。どちらも大きな効果があり、技術的にはまったく別のアプローチです。
Filuni で画像を圧縮する手順
Filuni の画像圧縮はすべてブラウザ内で完結します。ファイルは端末の外に出ないので、機密性のある画像でも安心して使えます。
- Filuni の画像圧縮ページを開きます。
- アップロードゾーンにファイルをドロップするか、クリックしてファイルを選択します。一度に最大10ファイルまで追加できます。
- 圧縮モードを選びます。JPG と WebP は品質スライダーが表示されます。PNG はロスレス最適化が自動で適用されます。
- 圧縮を押します。ダウンロードの前に、元のサイズ・圧縮後のサイズ・削減率が表示されます。
- 結果をダウンロードします。削減されすぎていると感じたら、品質を上げて再実行してください。2秒もかかりません。
アカウント登録不要、透かしなし、使用回数の制限もありません。出力はファイルそのものだけです。
フォーマット別アドバイス
JPG:品質スライダーの適切な範囲
JPG の品質は線形ではありません。100 と 85 の差はほとんどの人には気になりませんが、85 と 70 の差はわかるものの、ウェブのサムネイルなら十分許容範囲です。60 を下回ると、エッジや文字のまわりにブロックノイズが出始めます。ウェブの画像、メール添付、SNS 投稿など多くの用途では、品質 80〜88 が無難な落とし所です。RAW 現像したばかりの 5 MB の JPG は、品質 85 で 600〜900 KB 前後に収まります。通常のスクリーンサイズで見て劣化を感じないまま、80〜85% 削減できる計算です。
PNG:品質を下げるのではなく、圧縮を強くする
PNG には JPG のような「品質」の概念がなく、常にロスレスです。変えられるのは圧縮の強度(deflate アルゴリズムがどこまで頑張るか)です。多くの画像編集ソフトは速度優先で低い圧縮レベルで書き出します。専用の PNG 最適化ツールを使えば、画素変化ゼロのまま 20〜40% 削減できます。透過が不要な PNG スクリーンショットなら、WebP に変換するほうが効率的で、50% 以上削減できることも多いです。
WebP に切り替える——もっとも効果的な選択
画像の使い道を自分でコントロールできる場合(自分のウェブサイト、送付する資料など)、JPG や PNG を圧縮前に WebP へ変換するのがもっとも効果的なアプローチです。WebP はロッシー・ロスレス両方に対応し、PNG 同様の透過もサポート。同等の画質で JPG より 25〜35% 小さいファイルを継続的に生成できます。2020 年以降、主要なモダンブラウザはすべて WebP に対応しています。ウェブに公開する画像であれば、WebP を使わない理由はほとんどありません。
Filuni の画像フォーマット変換ページでは、JPG・PNG・WebP・BMP・GIF・TIFF を相互変換できます。こちらも無料・ブラウザ完結です。
実際のところ、どこまで小さくなるのか
よくあるケースでの実測値をまとめます。
| 元ファイル | フォーマット/設定 | 圧縮後 | 削減率 |
|---|---|---|---|
| スマホ写真 4.8 MB(JPG) | JPG 品質 85 | 約 720 KB | 85% |
| スマホ写真 4.8 MB(JPG) | WebP 品質 85 | 約 480 KB | 90% |
| スクリーンショット 1.2 MB(PNG) | PNG ロスレス再圧縮 | 約 820 KB | 32% |
| スクリーンショット 1.2 MB(PNG) | WebP ロスレス | 約 390 KB | 68% |
| 商品写真 600 KB(JPG) | JPG 品質 82 + Exif 削除 | 約 140 KB | 77% |
スクリーンショットを WebP に変換した行が目を引くかもしれません。68% の削減でも画質変化はゼロです。これは WebP のロスレスモードが、UI スクリーンショットに多い均一色ブロックを PNG の deflate アルゴリズムよりはるかに効率よく処理できるためです。
注意点が一つあります。もともと小さい画像(20 KB 以下程度)はすでに圧縮の限界に近いことが多く、圧縮処理のオーバーヘッドでわずかに大きくなることがあります。その場合は元のファイルをそのまま使えば問題ありません。
よくある質問
ロスレスとは本当に画質が一切変わらないということですか?
数学的には、その通りです。ロスレス圧縮された PNG や WebP を展開すると、元と完全に同一のピクセルデータが復元されます。何度圧縮・展開を繰り返しても劣化しません。一方、ロッシー形式(JPG や ロッシー WebP)は展開のたびにわずかに劣化するため、元ファイルから一度だけ圧縮するようにし、圧縮済みファイルをさらに圧縮することは避けましょう。
ウェブサイト用の JPG の品質設定はどれくらいが適切ですか?
80〜85 が標準的な答えですが、実際の画像で確かめるのが一番です。全幅に表示するヒーロー画像は大きいとアーティファクトが目立つため、やや高め(85〜90)に設定するとよいでしょう。サムネイルやカード画像なら 75〜80 で十分です。70 未満は、モバイル通信環境での大量配信など、本当にファイルサイズを絞らなければならない場面かつ画像が主役でないときに限った方が無難です。
Exif データを削除すると何か問題が起きますか?
ウェブ用途ならほぼ問題ありません。Exif が必要になるのは、地図アプリで GPS 座標を使う場合や、印刷用途でカラープロファイル(ICC プロファイル)が必要な場合に限られます。SNS 投稿、プロフィール画像、商品写真、一般的なウェブでの使用であれば、削除しても安全で、1枚あたり 20〜80 KB の削減になります。
WebP はいまどこでも使えますか?
ウェブ用途であれば、はい。Chrome、Firefox、Safari(2020年以降)、Edge、および最新のスマートフォンブラウザはすべて WebP に対応しています。今からウェブサイトを作るなら、WebP をデフォルトにして問題ありません。例外は、非常に古いメールクライアントや画像をレンダリングするデスクトップソフトウェアなどのレガシー環境です。そうした場面では JPG の方が確実です。
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